Vin rose'6
おれとしてはロゼと同室だったらいいなあ、と思っていたから別区はなんの苦でもなかった。
ふかふかのベッドがある。綺麗なお湯が出るシャワーがある。人間が食べるものがある。用事もないのにそれ以外のものが必要かどうかおれにはわからなかった。閉塞感が嫌なんだろうか。おれと一緒にいるのが嫌なのだろうか。労働をしたいの?囚人たちの中にいたいの?おれは傷つけないよ。ロゼが嫌なら話しかけもしない。ここは安全だから何も気にしなければいいのに。いろいろなことを考えてみたけれど、何も口に出来なかった。
どうも全てが見当はずれのような気がしたから。
ロゼといて嬉しかったのもその日だけで、次の日からは申し訳なくてしかたなくなった。ロゼがいるのに苦しかった。嬉しいけど、ロゼが可哀想だから嬉しさは飛んで行く。ごめんね、という謝罪の言葉がなんにもならないことをおれはもう知っている。
「ロゼ」
「何」
ロゼはベッドの上に座り、ぼうっとしていた。おれは部屋の隅に座っている。体を小さくして少しでもロゼの視界に入らないようにする。それでもロゼは話しかけたおれの方を向いた。
たった一日なのに、ロゼは昨日よりも憔悴しているように見える。気持ちは体に影響を及ぼすから、気持ちのせいで体の調子も悪いのだろう。
「ここから出たい?」
尋ねてみる。そりゃあね、と返ってきた。
「……わかった」
おれは立ち上がり、朝に食べた缶詰の空き缶をゴミ箱から取り出した。ロゼが怪訝そうにおれを眺める。
「ロゼって血とか見慣れてる?」
「は?」
ロゼが一層変な顔をする。おれは天井を確認し、ちょうど隠しカメラの真下に来るように移動した。
「メイ?」
シャワー室にカメラがあったらよかったんだけど、トイレとシャワー室には残念ながらカメラがない。
「多分、腐る前には出してもらえると思うから」
空き缶から途中まで開けた蓋をちぎり取る。缶切りで開けたが、切った部分の切れ味が良さそうだったから凶器になりそうだなあ、と思ったのだ。
「メイ、お前何する気だよ」
ロゼの声は緊張をはらんでいた。血も死体も苦手なのだろうか。そうか、ロゼは『普通』だった。手だけを残して死んだ少年を思い出す。おれもあれをたまに思い出す。それは鮮明で、目を閉じなくても目の前に実際にあるかのように思い出せる。とらうま、というやつかもしれない。血と死体が苦手だとしたらもしかしたらおれはロゼの『とらうま』になってしまうかも。だったら申し訳ない。きれいに死にたいけれど、おれが知っている死体はどれも醜いものだった。
「おれ、ロゼと同室になって嬉しかったよ。一日だけでも良かった。ありがとう」
「何いってんの」
ロゼが立ち上がる。
「こっち来ないほうが良いよ。汚れるから」
「汚れるって」
「多分すごく血が出る」
「メイ、やめろ」
ロゼがベッドから飛び降り、走ってきておれの手をつかんだ。多分心の準備ができないのだろう。それならば、ロゼの気持ちが固まるまで待っていよう。多分そのほうがとらうまにならない。
「心の準備ができたら言って。おれ死ぬから」
「なんでそうなるんだよ!意味わかんねえよ!」
「え?だって、おれが死んだらロゼ出れるよ?看守が閉じ込めたいのはおれだもん」
「そうだとしても!そんなんで出れたら……」
ロゼが言葉を切る。彼は青ざめていた。おれを掴む手がわずかに震えている。
「お、おまえが死んで出れたとしても、おれ良かったなんて思えねえからな。きっと、せ、精神的に参って廃人になるか死ぬ!」
「はいじん?」
「狂ってる奴のことだよ!」
「それはいやだ」
そうだろ、とロゼが言い、おれの手から缶詰の蓋を取り上げる。
「でも、だとしたら出られないよ。どうしたら出してもらえるかおれわからない」
「……良いよ。いずれ、出してくれるだろ」
ロゼの本心ではないように感じた。口調はどこか不安気で、表情も暗い。気をつかわれたのだ。
「とにかく、勝手に死ぬんじゃねえよ」
「うん。おれロゼをはいじんにしたいわけじゃないし。ロゼが別の方法で出たいなら死ぬ理由がないよ」
ロゼが険しい顔してじっと見てくる。赤い目が綺麗で恥ずかしくなって目をそらす。こっちにこい、と言われて手を引かれる。今更掴まれていることにも恥ずかしくなり、掴まれているところが熱くなった。目も火みたいだし、もしかしたらロゼは体の中に炎を飼っているのかもしれない。だからおれは彼の熱で熱くなるのだろう。ロゼがベッドに上がり、おれにも来るように促した。断る理由がないのでおれも登る。登ったところに座り、なんとなく壁に寄りかかってあぐらをかいているロゼを眺める。
「そ、そんなに見るなよ」
「あ、ごめん」
体の向きを変える。ロゼに背を向けて、じっとする。時間が過ぎるのを待つ。時間が過ぎていく。
「メイ」
「何?」
振り向いてロゼを見ると、彼はさっきと同じように険しい顔をしていた。
「何考えてんの」
「え?何も」
嘘はついていないのに、ロゼの眉間にシワが刻まれる。
「微動だにしねえじゃん。寝てたの?」
「寝てないよ」
「……死ぬのとか、怖くねえの」
「え?別に」
なんでこんな質問をするんだろう。
「なんで?」
「なんでって、何が?」
「なんで怖くねえの?」
「なんで……」
考えたこともなかった。ロゼがじっとおれの答えを待っている。
「死にたくない理由がないから、かなあ」
理由なんて考えたことがないけれど、ロゼに聞かれたから必死に絞り出した。昔は普通の生活を送るという夢があったけれど、人を殺したし夢は破れてしまった。だからおれには生にこだわる理由がない。
「さっき死にたいわけじゃないっつったじゃん」
「おれには何の願望もないから。敢えて死ぬ理由がないよ。死にたいっていうのも希望だもん」
わかんねーとロゼが俯く。
「ごめんね」
「なんで謝んだよ。お前、俺に悪いことしてねえじゃんか」
「困らせてる」
「俺が勝手に困ってんだよ。お前に責任はない」
「そういうものなの?」
「そういうもんなんだよ。お前は今どう思ってんだよ」
「どうって?」
ロゼの質問はどれも難しい。今まで生きてきて考えたことのないことをよく考えさせられる。
「感情。今なんて思ってる」
「感情?」
「しらねえの?さっき俺と同室になって嬉しかったとか言ってたじゃん」
「うん。嬉しいよ」
それは今もある。近くにロゼがいることがとてもうれしい。だけど、それと同じだけ申し訳ないし、苦しい。あ。これを伝えればいいのか?
「申し訳ないとおもってるよ」
「俺に?」
「ここにロゼが容れられたのおれのせいだし。ロゼ、昨日よりずっと元気ないし」
「だから死んで出してやろうと思ったのかよ」
「うん」
「やめろよ」
「やめるよ。はいじんにしたくないもん。……昨日も、最終的には死んだら出れるんだし、まあいいかって思ってたんだ」
「そうかよ」
ロゼに手招かれ、素直に彼のもとに向かう。ベッドは房のベッドよりも広い。ロゼにあまり近づいてはいけないと思って昨日の夜おれは床で寝たけれど、こんなに大きいことは下からではわからなかった。ロゼが壁から背を浮かし、枕の下に座る。おれはロゼと向かい側に座った。
「手出せ」
ロゼに言われ、何もわからぬまま両手を出すとその手を握られた。やはりロゼはあたたかい。触れられた部分から火が出そうだった。
「死ぬんじゃねえよ」
なぜか、さっき言われたよりも言葉が重たい。人の声はただの音で、重さはないと思っていた。だけどロゼの言葉は確かに重さを感じる。それはおれの口から体の中に侵入し、胸の奥におさまった。ずしりと言葉が置かれる音がした。
「ごめんね」
「そうだな。お前が人を殺したからこんな目に遭ってる。……殺したくなる気持ちもわかるけどさ」
ぎゅ、と握られた手に力が込められる。おれは驚いた。ロゼでも人を殺したくなることがあるのかと。綺麗な人間でも、おれみたいな普通じゃない欲求を覚えることがあるのか。
「腹壊してねえの」
小さな声で尋ねられる。
「腹?」
「ぶ、不躾だけどさあ、昨日ケツから流れてたじゃん。頑張ってかき出してたけど……」
「ああ」
ロゼが何を言っているか理解した。昨日大勢の奴らにケツに気持ち悪い液体を注がれたことを言っているんだ。昨日ここに来てからそれが溢れてきて、ロゼも手伝ってくれてそれを全部出したんだった。ひどくいたたまれない気持ちになった。
「大丈夫だよ。ロゼがくれた薬のせいじゃないかな」
「……それならいいけど」
沈黙。ロゼの青かった顔が赤くなっている。
「ここ出たら、人は殺すな」
「うん」
「もしどうしても殺したい奴ができたら、こっそりやれよ」
「……殺さないよ」
だって、おれがたくさん下水に捨てたばかりにこういうふうにロゼに迷惑をかけてしまった。おれがロゼを好きなことはもう看守に伝わっているから、おれが何かしたらまたロゼに迷惑をかけてしまうだろう。それは避けたかった。
でもそれもこれもここから出してもらえたらの話。
もしいつまで経っても出される気配がなかったらやはりおれが死ぬしかないと思う。
「なんか、でっかいこどもが出来た気分だよ」
ロゼが溜息を吐いた。
ふかふかのベッドがある。綺麗なお湯が出るシャワーがある。人間が食べるものがある。用事もないのにそれ以外のものが必要かどうかおれにはわからなかった。閉塞感が嫌なんだろうか。おれと一緒にいるのが嫌なのだろうか。労働をしたいの?囚人たちの中にいたいの?おれは傷つけないよ。ロゼが嫌なら話しかけもしない。ここは安全だから何も気にしなければいいのに。いろいろなことを考えてみたけれど、何も口に出来なかった。
どうも全てが見当はずれのような気がしたから。
ロゼといて嬉しかったのもその日だけで、次の日からは申し訳なくてしかたなくなった。ロゼがいるのに苦しかった。嬉しいけど、ロゼが可哀想だから嬉しさは飛んで行く。ごめんね、という謝罪の言葉がなんにもならないことをおれはもう知っている。
「ロゼ」
「何」
ロゼはベッドの上に座り、ぼうっとしていた。おれは部屋の隅に座っている。体を小さくして少しでもロゼの視界に入らないようにする。それでもロゼは話しかけたおれの方を向いた。
たった一日なのに、ロゼは昨日よりも憔悴しているように見える。気持ちは体に影響を及ぼすから、気持ちのせいで体の調子も悪いのだろう。
「ここから出たい?」
尋ねてみる。そりゃあね、と返ってきた。
「……わかった」
おれは立ち上がり、朝に食べた缶詰の空き缶をゴミ箱から取り出した。ロゼが怪訝そうにおれを眺める。
「ロゼって血とか見慣れてる?」
「は?」
ロゼが一層変な顔をする。おれは天井を確認し、ちょうど隠しカメラの真下に来るように移動した。
「メイ?」
シャワー室にカメラがあったらよかったんだけど、トイレとシャワー室には残念ながらカメラがない。
「多分、腐る前には出してもらえると思うから」
空き缶から途中まで開けた蓋をちぎり取る。缶切りで開けたが、切った部分の切れ味が良さそうだったから凶器になりそうだなあ、と思ったのだ。
「メイ、お前何する気だよ」
ロゼの声は緊張をはらんでいた。血も死体も苦手なのだろうか。そうか、ロゼは『普通』だった。手だけを残して死んだ少年を思い出す。おれもあれをたまに思い出す。それは鮮明で、目を閉じなくても目の前に実際にあるかのように思い出せる。とらうま、というやつかもしれない。血と死体が苦手だとしたらもしかしたらおれはロゼの『とらうま』になってしまうかも。だったら申し訳ない。きれいに死にたいけれど、おれが知っている死体はどれも醜いものだった。
「おれ、ロゼと同室になって嬉しかったよ。一日だけでも良かった。ありがとう」
「何いってんの」
ロゼが立ち上がる。
「こっち来ないほうが良いよ。汚れるから」
「汚れるって」
「多分すごく血が出る」
「メイ、やめろ」
ロゼがベッドから飛び降り、走ってきておれの手をつかんだ。多分心の準備ができないのだろう。それならば、ロゼの気持ちが固まるまで待っていよう。多分そのほうがとらうまにならない。
「心の準備ができたら言って。おれ死ぬから」
「なんでそうなるんだよ!意味わかんねえよ!」
「え?だって、おれが死んだらロゼ出れるよ?看守が閉じ込めたいのはおれだもん」
「そうだとしても!そんなんで出れたら……」
ロゼが言葉を切る。彼は青ざめていた。おれを掴む手がわずかに震えている。
「お、おまえが死んで出れたとしても、おれ良かったなんて思えねえからな。きっと、せ、精神的に参って廃人になるか死ぬ!」
「はいじん?」
「狂ってる奴のことだよ!」
「それはいやだ」
そうだろ、とロゼが言い、おれの手から缶詰の蓋を取り上げる。
「でも、だとしたら出られないよ。どうしたら出してもらえるかおれわからない」
「……良いよ。いずれ、出してくれるだろ」
ロゼの本心ではないように感じた。口調はどこか不安気で、表情も暗い。気をつかわれたのだ。
「とにかく、勝手に死ぬんじゃねえよ」
「うん。おれロゼをはいじんにしたいわけじゃないし。ロゼが別の方法で出たいなら死ぬ理由がないよ」
ロゼが険しい顔してじっと見てくる。赤い目が綺麗で恥ずかしくなって目をそらす。こっちにこい、と言われて手を引かれる。今更掴まれていることにも恥ずかしくなり、掴まれているところが熱くなった。目も火みたいだし、もしかしたらロゼは体の中に炎を飼っているのかもしれない。だからおれは彼の熱で熱くなるのだろう。ロゼがベッドに上がり、おれにも来るように促した。断る理由がないのでおれも登る。登ったところに座り、なんとなく壁に寄りかかってあぐらをかいているロゼを眺める。
「そ、そんなに見るなよ」
「あ、ごめん」
体の向きを変える。ロゼに背を向けて、じっとする。時間が過ぎるのを待つ。時間が過ぎていく。
「メイ」
「何?」
振り向いてロゼを見ると、彼はさっきと同じように険しい顔をしていた。
「何考えてんの」
「え?何も」
嘘はついていないのに、ロゼの眉間にシワが刻まれる。
「微動だにしねえじゃん。寝てたの?」
「寝てないよ」
「……死ぬのとか、怖くねえの」
「え?別に」
なんでこんな質問をするんだろう。
「なんで?」
「なんでって、何が?」
「なんで怖くねえの?」
「なんで……」
考えたこともなかった。ロゼがじっとおれの答えを待っている。
「死にたくない理由がないから、かなあ」
理由なんて考えたことがないけれど、ロゼに聞かれたから必死に絞り出した。昔は普通の生活を送るという夢があったけれど、人を殺したし夢は破れてしまった。だからおれには生にこだわる理由がない。
「さっき死にたいわけじゃないっつったじゃん」
「おれには何の願望もないから。敢えて死ぬ理由がないよ。死にたいっていうのも希望だもん」
わかんねーとロゼが俯く。
「ごめんね」
「なんで謝んだよ。お前、俺に悪いことしてねえじゃんか」
「困らせてる」
「俺が勝手に困ってんだよ。お前に責任はない」
「そういうものなの?」
「そういうもんなんだよ。お前は今どう思ってんだよ」
「どうって?」
ロゼの質問はどれも難しい。今まで生きてきて考えたことのないことをよく考えさせられる。
「感情。今なんて思ってる」
「感情?」
「しらねえの?さっき俺と同室になって嬉しかったとか言ってたじゃん」
「うん。嬉しいよ」
それは今もある。近くにロゼがいることがとてもうれしい。だけど、それと同じだけ申し訳ないし、苦しい。あ。これを伝えればいいのか?
「申し訳ないとおもってるよ」
「俺に?」
「ここにロゼが容れられたのおれのせいだし。ロゼ、昨日よりずっと元気ないし」
「だから死んで出してやろうと思ったのかよ」
「うん」
「やめろよ」
「やめるよ。はいじんにしたくないもん。……昨日も、最終的には死んだら出れるんだし、まあいいかって思ってたんだ」
「そうかよ」
ロゼに手招かれ、素直に彼のもとに向かう。ベッドは房のベッドよりも広い。ロゼにあまり近づいてはいけないと思って昨日の夜おれは床で寝たけれど、こんなに大きいことは下からではわからなかった。ロゼが壁から背を浮かし、枕の下に座る。おれはロゼと向かい側に座った。
「手出せ」
ロゼに言われ、何もわからぬまま両手を出すとその手を握られた。やはりロゼはあたたかい。触れられた部分から火が出そうだった。
「死ぬんじゃねえよ」
なぜか、さっき言われたよりも言葉が重たい。人の声はただの音で、重さはないと思っていた。だけどロゼの言葉は確かに重さを感じる。それはおれの口から体の中に侵入し、胸の奥におさまった。ずしりと言葉が置かれる音がした。
「ごめんね」
「そうだな。お前が人を殺したからこんな目に遭ってる。……殺したくなる気持ちもわかるけどさ」
ぎゅ、と握られた手に力が込められる。おれは驚いた。ロゼでも人を殺したくなることがあるのかと。綺麗な人間でも、おれみたいな普通じゃない欲求を覚えることがあるのか。
「腹壊してねえの」
小さな声で尋ねられる。
「腹?」
「ぶ、不躾だけどさあ、昨日ケツから流れてたじゃん。頑張ってかき出してたけど……」
「ああ」
ロゼが何を言っているか理解した。昨日大勢の奴らにケツに気持ち悪い液体を注がれたことを言っているんだ。昨日ここに来てからそれが溢れてきて、ロゼも手伝ってくれてそれを全部出したんだった。ひどくいたたまれない気持ちになった。
「大丈夫だよ。ロゼがくれた薬のせいじゃないかな」
「……それならいいけど」
沈黙。ロゼの青かった顔が赤くなっている。
「ここ出たら、人は殺すな」
「うん」
「もしどうしても殺したい奴ができたら、こっそりやれよ」
「……殺さないよ」
だって、おれがたくさん下水に捨てたばかりにこういうふうにロゼに迷惑をかけてしまった。おれがロゼを好きなことはもう看守に伝わっているから、おれが何かしたらまたロゼに迷惑をかけてしまうだろう。それは避けたかった。
でもそれもこれもここから出してもらえたらの話。
もしいつまで経っても出される気配がなかったらやはりおれが死ぬしかないと思う。
「なんか、でっかいこどもが出来た気分だよ」
ロゼが溜息を吐いた。